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コラム 実際にマウントリングを取り付けしてみました。




スコープリングに対するラッピングアライメントの必要性

実際の取り付け事例








ラッピングアライメントの必要性

スコープを銃に装着する際、市販されているリングを銃に装着、そのままスコープを載せて固定すると、スコープのボディに傷をつけたり、スコープ本体にダメージを与え、最悪の場合はスコープを破損させてしまう可能性があります。
適切な方法でスコープを装着すれば、リングの跡(装着痕)はスコー プにほとんど付きません。

銃は工業製品です。スコープリングも、スコープベースも、そしてスコープも工業製品です。
工業製品には、製造公差というものが存在します。

スコープを装着する場合、銃にマウントベースを取付け、 そこにスコープリングを装着し、そこにスコープを締め付けて固定します。バラバラに作られた複数の工業 製品が積み重なり、スコープを固定しているのです。
極端な例としては、前側のスコープリングと後ろ側のスコープリングの高さが違ってしまう場合もあります。そこにスコープを載せて締め付け固定すれば、スコープボディが歪んでしまうことになります。
光学機器であるスコープのボディを歪ませてしまっては、光軸が狂ってしまいます。締め付けによって無理な力が加わりますので、ボディに傷も付きます。
前後一体型のリ ング、一体型ベースでも同様です。
建築物を建てる時、地面を整地するように、スコープ装着も、その地面にあたるスコープリングが前後、正確に取り付けられているかを確認する必要があります。

リング・アライメントツール
前後のリングが正確な位置で取り付けられているかを確認するためのツールが、リング・アライメントツールです。スコープと同じ径の金属製バー(棒)で片側が尖っています。これは円柱であるバーとその先端 部が完全な円錐形となるよう精密加工されたものです。
銃にスコープベースを装着、スコープリングの下半分を前後共に装着します。そしてリング・アライメン トツールの円錐形の部分が向かい合うような位置でリングの上半分を装着、リングスクリューを適切なトルク値で固定します。この時、アライメントツールの円錐形の先端部分が、正確に向かい合い、正確に先端部分が接触すれば、リングの前後位置が正確であることが確認できます。



銃本体をガンバイスに固定し、スコープベースとスコープリング下側を装着します。この際、それぞれの ベース、リングで定めらえている適正なトルク値で固定することをお勧めします。
ラッピング作業に入る際、使用するラッピングコンパウンドがリング内側以外の銃本体やリングの他の部分に飛び散って入ってしまうことを避けるため、銃本体をラップで包み、細かい部分はマスキングテープ を貼るなどして、混入を予め防止することをお勧めします。



リングの下側のみのラッピングをおこない、上側は別におこないます
スコープ接触面にラッピングコンパウンドを適量塗布します。指などにコンパウンド 付けて、全体を覆う程度に塗れば良いです。 ラッピングバーを使用して、前後動の他、回転も加えて削り(ラッピングし)、前後のリングのアライメントをとります。過度にラッピングする必要はありません。
上側のリングのスコープ接触面もラッピングします。ラッピングバーを手に持って、リングを反対の手で持ち、前後運動と回転運動をすれば良いです。

こちらもラッピングを終えたら、コンパウンドをふき取り、マスキングテープを外します。
コンパウンドは単にふき取るだけでなく、オイルたっぷりの布で入念にワイプ するといったことも有効でしょう。
スコープリングの内側は、ある程度の荒さがのこっていないと、射撃のリコイルに伴う慣性でスコープが滑って 位置がずれる可能性があります。ですから過度なラッピングは逆効果です。

上記引用元:Satoshi Matsuo Gun Professionals 誌、Guns & Shooting 誌 副編集長associate editor
http://www.deon.co.jp/About-lapping.pdf









実際の取り付け事例―ライフルショップエニスにて

さて、Gun Professionals 誌、Guns & Shooting 誌の松尾さんが仰っているように、ラッピング作業はとても大事です。折角いいスコープを買っても、正確にとりつけられていないのでは元も子もありません。
というわけで、オーストラリアでの遠距離射撃大会を控えて、DEONの社員森田真理は、東京都恵比寿にある、有限会社中央商事 ライフルショップ エニス”にアライメントツールを使用して、レミントンM700にMarch-X High Master 10-60x56mmスコープの取り付けを依頼しに行って参りました。
なかなか普段は入れない、工房にお邪魔してきました。



まずは、ラッピングツールの先端が合っているかの確認をするために、ラッピングツールを適正なトルク値で固定します。






下記写真から、僅かにバーの先端がずれていることが見て取れると思います。
これは工業製品につきものの製造公差から多かれ少なかれ必ず生じるものです。



先端がずれていることがわかったので、ラッピングツールをはずします。
リングの受け皿にコンパウドを塗って、ラッピングコンパウンドが銃内部他に飛び散らないように、しっかりとカバーをしたら、準備は完了です。



ラッピングバーで前後運動をします。
リングの内部を削るので、大の大人でもかなりの力が要ります。



次にラッピングバーで回転運動(左右の動き)を行います。



スコープリングは、初めは黒かったのを覚えていますか?
ラッピングバーの前後運動と、回転運動のおかげでスコープリングの内部が均一に銀色に光っています。こうなったら完成です。

但し、リングによってはうっすらと白くなる程度の物もあります。全体が白くなるまでラップすると、やりすぎる危険もあります。ラップしすぎるとスコープの径よりも大きくなってしまい、締め付けられない可能性があります。
どの程度までラップをやるかについては、スコープとの合わせ具合を見ながら調整します。



リング上側のスコープ接触面もラッピングします。
最後に、ラッピングツールの先端を確認すると、きっちりと合っています。





これにて作業終了。

私(森田真理)は、March-X High Master 10-60x56mmライフルスコープを載せたライフルを携えて、8月5日~10日(2019)の、オーストラリアの遠距離射撃大会に出場してきました。
スコープの正確な取り付けのおかげで、初参戦にも関わらず、無事に1000ヤードの的に入り高得点をとってきました。
ライフルショップエニスの皆様、ご協力を頂き、ありがとうございました。


     
編集:森田真理