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March Scope Official site, High end Riflescope

  

技術情報

 

 

ライフルスコープの基本的光学系

対物レンズより入った光線は、まず第一焦点面に倒立像を結びます。 
この面にレチクルを置くスコープを、第一焦点面レチクルスコープと呼びます。 
更に正立レンズを通り正立像を結ぶのが、第二焦点面です。 
この面にレチクルを置くスコープを、第二焦点面レチクルスコープと呼びます。
射手がスコープを使用する時、接眼レンズを通してみる標的は第二焦点面の正立像を見ています。 
第二焦点面は接眼レンズを移動することにより、射手の視力に合わせた明視距離に設定されなければなりません。 特に第一焦点面レチクルの場合は、低倍率側で接眼視度調整を行わないと合わせることは困難です。



第一焦点面(FFP)スコープ と 第二焦点面(SFP)スコープの利点と欠点
 第一焦点面(FFP)レチクルの利点と欠点  第二焦点(SFP)面レチクルの利点と欠点
対物レンズにより結像した面にレチクルがある為、ズーム時の芯のズレの影響を受けません (ズームしてもレチクルと像が一緒に動く為)。 
また、目盛の付いたレチクルの場合、ズームしても像と一緒にレチクルが拡大縮小される為、目盛の数値は倍率に関係なく使用できます。 
反面、レチクルが拡大される為、レチクルの線、文字、ドット等の太さも太くなってしまいます。
3倍比のスコープであれば3倍の太さに、8倍比のスコープであれば低倍時の8倍の太さになります。 使用目的とスコープの特性を理解した上で選択する必要があります。
 多くのライフルスコープが採用している方式です。 第二焦点面にレチクルがある為、ズームしてもレチクルの大きさは変わりません。
特に高倍率比のスコープの場合いずれの倍率でもレチクルの太さ・見え方が変わらない為、精密射撃に向いています。
欠点としては、ズームした時に、ズーム時の芯のズレの影響を受けることになります。 
また、目盛の付いたレチクルの場合、目盛りは一定で像の大きさのみ変化する為、目盛の値は指定された倍率においてのみ有効となります。

下記の『FFP と SFP レチクルイメージ』を参考にご覧ください。

FFP と SFP レチクルイメージ















接眼位置の調整



第二焦点面と接眼焦点位置が一致しないとパララックスが発生します。
右図Aの場合は接眼位置が奥に入りすぎ、Cは接眼位置が手前すぎます。
Bのように正確に第二焦点面に接眼位置を合わせることが必要です。
この接眼位置は、使用者の視力で変化しますが、眼鏡で強制した視力の場合は標準の位置で焦点が合うはずです。



-----正確に接眼位置を合わせるには-----

ズームリングを低倍にして、明るい白い紙をスコープを通して覗いてください。模様があると正確に調整できません。
レチクルだけが見える状態で覗いてください。自然に遠くを見る状態でレチクルが一番はっきり見える状態に接眼を回転して合わせます。視力の状態が変わらない限り、接眼を動かす必要はありません。

Marchスコープは工場出荷時に標準の位置に白いラインを入れてあります。





焦点調整装置

対物レンズをフォーカスできる機構を有しないスコープの場合、通常、照準距離の調整は100ヤードの距離に合せて固定されます。(ショットガンスコープでは50ヤード)
この位置がずれる事により、100ヤード位置の像がレチクルの位置に焦点を結ばなくなり、パララックス(焦点鏡視差)が発生します。 
パララックスがあると、眼の位置を左右にずらした時にレチクルに対して像が振れる現象が起きます。 
一般的に低倍率のスコープは焦点深度が深いので、上記のような距離に焦点が合うように対物レンズを固定しますが、ほぼ10倍以上の高倍率のスコープについては焦点調整機構を採用することが多くなります。
焦点調整装置としては対物レンズを直接動かす対物調整方式と、内部のフォーカスレンズを動かすフォーカス方式(サイドフォーカス方式)があります。 
焦点調整装置には距離目盛を表示してあるものもありますが、使用者の視力、使用時の気温などにより焦点位置が変化します。距離目盛は目安としてご使用ください。


レチクルが動いて見える問題

レチクルと標的像が一致するのは、一つの距離だけです。
その一点より前でも後でも標的の像を結ぶ位置はレチクルからズレます。

 レチクルと標的像が一致


 
レチクルの手前に標的像



レチクルの後に標的像



レチクルの位置と標的像が一致せずにずれている時。
光軸中心から覗かない限りレチクルと標的像にずれが発生します。(中心から全くのズレなく覗くことは不可能です)



倍率の低い時や、焦点深度の深いスコープの場合は、目で見て焦点があっているように見えても、焦点がずれていることがあります。
目の位置を少しずらしながら(首を振る)焦点調整(フォーカスダイヤルを動かす)を行いレチクルと標的像がズレない事を確認してください。
 この焦点位置がレチクルと標的像が一致した位置です。光軸中心からずらして見ても、レチクルと標的像はズレる事はありません。従ってレチクルが動いて見える事はありません。




パララックス(焦点鏡視差)

標的像がレチクル位置に焦点を結ばれていないときにはパララックスが発生していると言います。
前述のように目の位置を左右にずらすとレチクルと像がずれて見えます。
接眼を動かして標的の焦点合わせを行うと、レチクルの位置から焦点位置がずれる為にパラックスが発生します。
一度自分の視力に合わせた接眼は動かさないというのが原則です。

 

W/E調整について

Windage(左右方向の調整)及びElevation(上下の調整)について


左のイメージのように、狙った標的の左下側に弾が当たった時、W/E調整装置を使用して調整します。



狙いより左側に弾痕がある時には、弾着位置を右に動かすために Windageダイヤルを右(R) 方向に回します。
狙いより下側に弾痕がある時には、弾着位置を上に動かすために Elevationダイヤルを上(UP)方向に回します。
ダイヤルを回す移動量については、スコープの仕様書に従ってください。

 

 




MOA と MIL

レチクルの寸法、及びW/E調整装置の移動量は、MOAタイプとMILタイプがあります。

MOAタイプ: MOA(Minute of Angle)とは、角度1分(1/60度)の事であり、100ヤードの距離に於いて1.047インチの幅に相当します。

MILタイプ: MIL(Milli radian)、mrad。1rad=360/2Π 1mradは1/1000rad。1000mの距離に於いて1mの幅です。これは0.0573度に該当し、円周の1/6283に該当します。




マウントトラブル


修理を依頼されるスコープの中で、マウントによりスコープを破損してしまったり、性能を落としてしまった事例が多いので、マウントリングに関して取り上げる。


銃にスコープを取り付けるとき、通常はマウントベースを取り付け、これにスコープリングを取り付けてスコープを載せる。しかし、すべての部品が公差ゼロで作られているわけではない。前と後ろのマウントリングが全く直線である保証はない。
10cmの間隔の2個のマウントリングに0.1mmの横方向のズレがあれば、100m先では10cmに相当する。
スコープリングの平行度に僅かにズレがあった場合にはスコープに曲げられる力がかかる。また、スコープリングはラップ代を見込んでやや小さめに出来ている。そのまま締め付け、ボディにリングが食い込んだり、ボディを凹ましてしまった例がある。勿論リングの締め付けトルクは適正トルクでなければならない。(一般的には15ポンド・インチ)。
高精度のスコープは内部の稼働部品のクリアランスを極限まで詰めている。従ってマウントリングはラッピングしてスコープを取り付けるべきである。

----- スコープのW/E調整装置を大きく補正しなければならない場合 -----      
ライフルスコープはスコープの光軸の中心から軸がズレるほど、スコープの解像度が悪くなります。出来るだけスコープの中心で使用できるように銃にセットする必要があります。
ロングレンジで使用する場合などは、傾斜マウントベースを使用する事をお勧めします。

ラッピングツールの貸し出しについて
  


銃は工業製品です。スコープリングも、スコープベースも、そしてスコープも工業製品です。工業製品には、製造公差というものが存在します。個々の部品製造において、この程度の寸法誤差は許容範囲ですよ、というものが製造公差です。これにより、個々の製品は品質を一定に保っています。単独の機械なら、その公差内であれば、問題は発生しません。ところがスコープを装着する場合、銃にマウントベースを取付け、そこにスコープリングを装着し、そこにスコープを締め付けて固定します。バラバラに作られた複数の工業製品が積み重なり、スコープを固定しているのです。単独の製品であれば、公差内に収まって問題を起こすことはありませんが、複数の製品が積み重なれば、製造公差が加算され、稀に許容範囲を超えてしまう可能性があるのです。

DEONにおいて、Marchスコープ用にラッピングツールを作成いたしました。
銃砲店さんに貸し出し致しますので、銃砲店さんにご依頼ください。



ラッピング作業の必要性について 
Gun Professionalsの松尾氏の記事を参照ください。

ラッピング作業マニュアル