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コラム (教えて シリーズ)



新設コーナー  教えて、吉江さん!

「お勧めの狩猟用スコープを教えてください。-①」の巻



マーチスコープを製造しているDEON光学技研の創業者の一人、かつ取締役。
世界のトップスコープメーカーのためにスコープを設計・製造するOEM企業で約30年勤務。
現在は生産管理、経理、総務、広報、設計、なんでもこなすマルチタレント。
無類の餡子好きで好物はどら焼き。大学時代は自動車部で、 将来はジャパニーズドリームを叶えてVOLVO XC40を乗りたいと願うクールガイ。


以前の勤務先はリクルート。子育てのために9年間のブランクを経て去年DEONに再就職。
エアーライフル、スモールボアライフル、ビッグボアライフルを撃ち、ハンドローディングは
始めたばかり。スコープの勉強ができて、英語が生かせる職場に大満足。
趣味は旅行、食べ歩きと夜就寝前に布団の中で海外ドラマを見ること。ちょっと根暗。



このコーナーでは、スコープについて勉強中の年とった新人、森田が皆様に代わって社員に素朴な質問をしていきます。もし聞きたい質問があれば、メールをお送りください(^^)



Q1.狩猟用スコープには何がお勧めですか?

A1.
まずは、獲物までの距離と獲物の大きさの2つを考えなければなりません。
遠くにいる鳥などの小さな獲物であれば、高倍率が必要になってきますし、
近距離~中距離の鹿やイノシシなど大きな獲物であれば、低倍率が必要になります。
また、パッとライフルを構えた時にすぐに獲物が探せるように低倍率は必ず必要になります。

まず初めに、皆さん既にご存知だとは思いますが、数字の読み方をご説明します。
1x-10x24を例にとると、“1x”はそのスコープの一番低い倍率(xは倍率を意味します。)、
“10x”はそのスコープの一番高い倍率、一番最後の数字“24”は対象物側のレンズ、
つまり対物レンズの大きさ(直径mm)を意味します。 
ちなみに、覗いている自分の目の側のレンズは接眼レンズと言います。

それからスコープの倍率には、固定倍率と変倍があります。
殆どは変倍ですが、固定の場合は4倍と言ったら4倍だけの倍率になるのです。
固定倍率は、低倍率では大物の狩猟や、高倍率では距離の決まった精密射撃競技など
用途が限定されている場合には用いられます。

狩猟での距離が近距離から遠距離まであったり、標的も小さいものから大きなものまでとなると
固定倍率では不便さを感じるかもしれません。

出来るだけ多用途で使いたいとなると、
最高倍率を最低倍率で割り算した「〇倍比」という値が一つの指標になります。
この数値が大きければ大きいほど、使用用途が広がりますので、
スコープメーカーは各社こぞって〇倍比の数値をあげようと必死で努力しているわけです。

マーチスコープは業界に先駆けて10倍比の開発に成功しました(^^)
1x-10x24は10倍÷1倍=10倍比、2.5x-25x52は25倍÷2.5倍=10倍比と計算できます。   
3x-24x42では24倍÷3倍=8倍比です。
低倍率から高倍率まで幅広く押さえているスコープは使い勝手がとても良いのでお勧めですよ。

さて話を質問に戻すと、イノシシやシカ撃ちをされるお客様は、
Marchシリーズの1x-4x24、1x-10x24
March-Fシリーズの1x-8x24ショーティー、1x-8x24 がお勧めです。
マーチスコープの1倍は収差が大変少ないので、むしろスコープを通して見たほうが通さないで見るよりも綺麗に見えると言って下さるお客様もいらっしゃいます。

北海道のように広く見渡せるところや、近距離~遠距離まで幅広く射撃する方や、
中距離にいる鳥などの小さな獲物を撃つお客様は
March-Fシリーズの3x-24x42、3x-24x52、
Marchシリーズの2.5x-25x42、2.5x-25x52   がお勧めです。
   
あくまでスコープメーカーとしての見解ですので、皆様の好みもあるでしょうし、周りのハンターの方々にもどのような倍率を使っているのか是非聞いてみてください。

なるほど~。 私はアメリカの某スコープメーカーの4x-12xを以前使っていたのですが、
これは3倍比だったということですね!
使っていた時に不便さを感じていた理由が良くわかりました。


Q2.1x-4.5x24も狩猟用スコープに使えますか?
A2.
1x-4.5x24はアメリカでサ-ビスライフル競技に使用されています。
サービスライフルとは軍用ライフルを使用して、立射・膝撃ち・伏射の姿勢で200ヤードから700ヤードを時間制限内で撃つという競技です。
そのため4.5xでありながらフォーカス調整機能(距離によってピントを合わせる)が付いているので、一般の狩猟にはあまり要らない機能かもしれません。


Q3.MarchシリーズとMarch-Fシリーズとありますが、何がどう違うのですか?
A3
.一番の違いは、レティクルの位置です。
March-Fシリーズは第一焦点面レティクル
Marchシリーズは第二焦点面レティクル、のスコープです。
     
①第一焦点面レティクルと第二焦点面レティクル
簡単に説明するとスコープを設計する時にどこの位置にレティクルを置くかによって第一焦点と第二焦点面レティクルに機能差が生まれます。

FFP 第一焦点面(FFP-First Focal Plane)レティクル



第一焦点面(FFP-First Focal Plane)レティクルは、倍率を変更すると
標的とレティクルが一緒に拡大・縮小されるので、低倍率ではレティクルの線が細く
高倍率になるとレティクルの線が太くなります。

標的の像が最初に結像する(光が焦点を結ぶ)第一焦点面にレティクルがありますので、
ズーミングする(=被写体の大きさを調整する)と像とレティクルが同時に拡大縮小されます。
従って像に対する目盛りの値は、倍率に関わらず常に一定なので、
レティクルの目盛りを使用して射撃される方には最適です。
レティクルがある第一焦点面の後にズーム機構がありますので、
高倍率にしても、狙っている位置(照準点-POA)にズレは出ません。

SFP 第二焦点面(SFP-Second Focal Plane)レティクル



一方で第二焦点面(SFP-Second Focal Plane)レティクルは、常に一定で、
高倍率にしてもレティクルが太くならず、標的だけが大きくなります。
従って遠距離の精密射撃に向いています。
但し目盛りがついているレティクルは、指定倍率での目盛りの値で設計されていますので、
指定の倍率でだけその目盛りの値が使えます。
それ以外の倍率で使用するときには換算しなければなりません。

標的とレティクルが一緒に拡大・縮小し、目盛りの値を使いたいのが(第一焦点面レティクル)、
レティクルの太さが常に一定で目盛りの値はさほど使わないのが(第二焦点面レティクル)、
お好みでお選び下さい。

②対物レンズの大きさ
Marchシリーズも、March-Fシリーズも対物レンズ径の大きさは24mm/42mm/52mmと三種類あります。
対物レンズとは物の方向を向いているレンズで、これが大きければ大きいほど光を取り込む量が増えて明るくなります。薄暮時に明るさを発揮するのはより大きな56mmの対物レンズですが、
対物レンズが大きい分、重量は重くなりますので、森の中で動き回る方は対物径の小さな、
軽いほうを好まれるかもしれません。低倍率で使用したり、明るいときに使用する場合には
対物レンズの大きさの差はあまり気になりません。

③ボディーチューブの太さ
Marchシリーズも、March-Fシリーズもボディーチューブの太さはどれも30mmです。
ボディーチューブは1インチと30mmのものが一般的です。
最近のスコープでは、解像度を上げるために多くのレンズを組み込んだり、
強度を持たせるために太いボディチューブを使用する傾向があり、
34mm、36mmといったボディチューブのものも多くなってきています。
チューブの大きさに合わせてマウントリングをつける必要があります。
30mmは一般的な太さなので、問題無いかと思いますが、
マウントリングを選ぶ際にはサイズにご注意ください。


Q4.視野の広いスコープが欲しいのですが、どのように選べばよいですか?
A4.
スコープの性能を比較するとき、視野の広さは見掛け視界で比較してください。
見かけ視界は実視界×倍率で計算できます。
例えばMarch 2.5x-25x42の2.5倍時の実視界は8.0度です。
ですからMarch 2.5x-25x42の見掛け視界は、
実視界8.0度×2.5倍=20度と言うことになります。

また、March-X 8x-80x56 は、8倍時の実視界は2.5度で、80倍時は0.25度です。
このスコープの見掛け視界は2.5度(8倍時の実視界)×8倍=20度、
もしくは0.25度(80倍時の実視界)×80倍=20度となります。

計算をしてみると、例に挙げたMarch 2.5x-25x42と March-X 8x-80x56は、
同じ倍率 (たとえば10倍) の時には視界の広さは同じとなります。
ご自身の気になるスコープがございましたら、是非計算してみてください。

Q5.夕暮れ時に明るく見えるスコープは、どのように選べばいいですか?
A5.
像の明るさを表す指標に“ひとみ径”というものがあります。
30cm以上はなれて接眼レンズ(自分の目側のレンズ)を覗いたときに見える、明るい円の直径をひとみ径といいます。
この直径が大きいほど視界が明るく、明け方や夕暮れ時などの狩猟に威力を発揮します。
ひとみ径=対物レンズの有効径÷倍率 と計算します。

例えば3x-24x52を例にとると、ひとみ径=52÷24=2.17mmになります。
24倍にした時にひとみ径が2mmを超えていて、明るい時の人のひとみの大きさとほぼ同じなので
明るい環境の場合は、肉眼と同じ明るさに感じます。

3倍時では、ひとみ径=52÷3=17.3mmとなります。
3倍時のひとみ径は7mmを超えているので、明るい環境下のみならず、
暗い環境下でも、肉眼と同じ明るさに感じることが出来ます。


参考)瞳の大きさは、周囲の明るさによって変化します。



写真引用元:http://nvj.nikon.com/guide/binoculars/basic/basics_05.htm

ですから、使用する倍率で、ひとみ径が7mmを超えていれば、暗い環境下でも
肉眼と同じ明るさに感じることが出来ます。
同じ倍率のときは、対物レンズ有効径が大きいほど集光力があり、明るさが向上します。
一方で、スコープは大きく重くなります。



Q6.撃つ銃によって、お勧めのスコープは変わりますか?
A6.
散弾銃、エアーライフル、ライフルどれであったとしても、銃による違いによって選ぶべきスコープに違いは生じません。むしろ、重さや見え方など個人の好みで選んで頂いてよろしいかと思います。また、純国産部品も全て日本人による手作業と製造過程も
どのスコープも全て同じで、1000ジュールの耐久テストもクリアしておりますので、
ご安心してお好きなスコープをお選びください。


Q7.レティクルはどのように選べばいいのでしょうか? 
A7. 十字線の交わりに標的が来るようにする十字線(クロス)レティクルが狩猟用には一般的です。
クロスレティクルで、第一焦点面用は、
FMC-1、FMC-2、FMC-3、FML、FML-1、FMA-1があります。
第一焦点面レティクルは機種によって使用できるレティクルが限定されますので、機種を確認してレティクルのパターンを見てください。
低倍率ではどれも同じように見えますが、高倍率にすると見え方が違いますのでご確認下さい。
目盛りがついているので、ダイヤルの上下・左右の調整はしやすいと思います。

第二焦点面レティクルは、同じくクロスレティクルの
Di-plex、MTR-3、MTR-4、MTR-5、MML、FD-1、FD-2です。
周りの線が太くて中心に昼間でも明るく見える赤点があるFD-1、FD-2は狩猟には最適です。
初心者には使いやすいかもしれません。
上記に挙げたお勧め狩猟用スコープの内、これらFD-1、FD-2レティクルを使えるのは
Marchシリーズの1-4x24、1-10x24、2.5x-25x42、2.5x-25x52の4つです。

カタログやホームページをご覧頂くと、レティクルの中が赤くなっているものと、そうでないものがあります。赤くなっているものは、電池式イルミネーションが内蔵されており、曇りや雨の日に獲物を確認しやすく便利な機能です。明るさも4段階で調整できます。

尚、第二焦点面レティクルのカタログには、Crosshair、CH-Dot、MTR-1、MTR-2のレティクルが
記載されていますが、これらは精密射撃用に開発されたレティクルですので、クロスの線が非常に細くなっています。
じっくり構えて射撃する精密射撃タイプには向いていますが、
動く標的や素早く撃たなければならない射撃には向いていません。


Q8.ある程度倍率がありつつ軽いスコープはありますか?
A8.
March-Fシリーズの1-8x24ショーティーはいかがでしょうか。
全長わずか21.2㎝(8.4inch)、重さ485g(17.1oz)で8倍比
(倍比とは高倍率÷低倍率、この場合8÷1で8倍比)のスコープとしては世界最小です。
フォーカス機能とは距離によってピントを合わせる機能を言いますが、
このショーティーは、フォーカス機能を省いて100ヤードでフォーカスを固定しているので、
最小限の操作で標的を狙えます。
実視界も19.67度と広いので構えた時に標的を見つけやすいと思います。
狩猟初心者にはお勧めと言えるかもしれません。



Q9.狩猟用で売れているスコープのトップ3と、選ばれている理由を教えて下さい。
A9.
★第一位は、3x-24x42です。
国内の狩猟と言うことになると、最も多く選ばれているのは3x-24x42ですね。
近距離から遠距離射撃までカバーでき、競技でも狩猟でも使い易いとユーザーさんから良い評価を戴いています。幅広く使える点が一位に輝いた理由だと思います。
3x-24x42はFFP(第一焦点面レティクル)スコープですので、
倍率を変更すると標的とレティクルが一緒に拡大・縮小されます。
SFP(第二焦点面レティクル、 常にレティクルは一定で、高倍率にしても太くならず、標的だけが大きくなるレティクル)スコープの方が使い慣れている方には第二位をお勧めします。

★第二位は、2.5x-25x42です。
わが社が業界に先駆けて開発した10倍比の、使い勝手の良いスコープが第二位にランクインしました。
SFP(第二焦点面レティクル、 常にレティクルは一定で、高倍率にしても太くならず、標的だけが大きくなるレティクル)のスコープです。

★第三位は、第一位3x-24x42の対物レンズを大きくした3x-24x52mmと、
第二位の2.5x-25x42の対物レンズを大きくした2.5x-25x52mmの2つです。

2.5x-25x42と2.5x-25x52の重量をそれぞれイルミネーション有り(レティクルが光る装置)で
比較すると、650g⇒695gと45g重量が増えますが、対物レンズが大きくなる分、光を集めるので明るさが向上します。

2.5x-25x42と2.5x-25x52(または3x-24x42と3x-24x52)の重量をそれぞれイルミネーション有り(レティクルが光る装置)で比較すると、
640g⇒695gと55g重量が増えます。どうでしょう、約50gの重さを軽いと見るか、重いと見るか。私ならば、狩猟では明るさが欲しいので、対物レンズが大きい52mmのほうを選ぶかもしれません。

★北海道で人気第一位
遠距離で大物を狙う方には5x-40x56mmFFP(倍率を変更すると標的とレティクルが一緒に拡大・縮小する)スコープの人気がとても高いです。

売り上げ順位は我が社のデータに基づいております。




 
吉江さん、教えてくれてありがとうございました(^^)
             次回をお楽しみに~。皆様も読んでくれてありがとうございました!
 



                           2019年4月15日